ケインズのアニマルスピリット

行動経済学が熱い。
「アニマルスピリット」
http://www.amazon.co.jp/dp/4492313982/

ケインズの著書
http://www.amazon.co.jp/dp/4003414519/
の第4篇の第12章の7に「アニマルスピリット」が出てくる。
これは、投資誘因の中の「長期期待の状態」に関すること。まあ企業や組織レベルの問題と考えていいと思う。

しかし、これ以外にも、
第4篇の第12章の3に事業主本人や友人、仲間といった、個人的ネットワークにおける「血気」について言及している。また、第12章の5も面白い。その中でも、特に(3)。
そして、さらに遡って、第3篇の第9章の「消費性向(2)−主観的要因」などは、個人におけるまさに「アニマルスピリット」という感じである。特に第9章の1の(4)支出が徐々に増えていくことの楽しみ。

ケインズは、これらの要素が実経済に影響は及ぼさないとしているが、よく読んでみると、及ぼさないと完全否定してしまうことに対して、ちょっと懐疑的にもなっている。

そのケインズの迷いが、実経済にも影響を与えていますよ!という主張が行動経済学のよって立つところである。とても重要な問題提起であると思う。