コンテキスト学のすすめ

こんにちは。湯本正典です。

先端IT活用推進コンソーシアム(AITC)
コンテキスト・コンピューティング研究部会(CC研究部会)で
サブリーダをしています。

この研究部会では、以下の計画で活動しています。
http://aitc.jp/wg/context/plan.html


「コンテキスト」は、日本語では「文脈」と訳されます。

たとえば、「はし」という単語を見て、みなさんは何を思い浮かべられますか?
「橋」?「箸」?「端」?
「はしを持って食べる。」これは「箸」ですね。
有名な一休さん頓智話に、
「このはしわたるべからず」と書いてあったので、真ん中を堂々と渡って行った
というお話があります。
「橋」と「端」のちがいですね。

注目している対象物を”テキスト”とよび、その周りのものを”コンテキスト”とよびます。

くらいに理解していただけると良いと思います。
今の場合は「はし」が”テキスト”、みなさんが思い浮かべた情景が”コンテキスト”です。


最近「ねづっち」さんの「なぞかけ」が流行です。
「なぞかけ」は、2つの「コンテキスト」を提起して、2つに共通の「テキスト」を導くという非常に高度な思考を行っています。

これは、「単語」を”テキスト”として扱った例です。

”テキスト”になる題材は、なにも「単語」だけではありません。
たとえば、「家の形や色」なんていうのも”テキスト”になります。まわりの「住宅環境」にあった、「家の形や色」というのがありますよね。この場合「住宅環境」が”コンテキスト”です。


要は、なにか考えるときに中心にすえたオブジェクトを「テキスト」とよび、それがかかわっている環境を「コンテキスト」と呼ぶのです。


コンピュータが発達してみんなが使うようになりました。でも「このコンピュータって気が利かないわねえ。」って気分、よくありませんか? もしくは「コンピュータ使っているヤツって空気読めねえよなあ!」(私はよく言われます。)って思いませんか?

こういうちっちゃなトラブル解消を目指してコンピュータをより良くしよう!というのが、コンテキスト・コンピューティングです。
でも一方で、環境問題とか、セマンティックWebとかも考えています。


空気が読めず、気が利かない湯本が書いているので、全く説得力がないのですが、

「気が利くコンピュータ」「空気の読めるコンピュータ」

を目指します。

わたしのテーマは、この研究を通して、
「気が利く湯本」「空気の読める湯本」
になることを目指します。 !(^o^)v



【今日のQ&A】
Q:「コンテキスト・コンピューティング」と「コンテキスト・アウェア・コンピューティング」って違うのですか?

A:違います。もっともっと広い概念です。
「コンテキスト・アウェア・コンピューティング」は、"コンピュータ"とそのまわりの環境である"コンテキスト"を考えていると湯本は思っています。ところが、このネットワーク時代、じつは、コンピュータネットワークの中にすでに"テキスト"と"コンテキスト"があります。たとえば、チャットで発言するとき。"コンテキスト"(チャットの今の雰囲気)を考えないで発言しちゃう人("テキスト"書いちゃう人)いませんか?(もしかして、湯本のこと?)こうして今はコンピュータの中にも"テキスト"と"コンテキスト"が存在しているのです。このコンピュータネットワークの中のバーチャルな「人(ペルソナ)と人(ペルソナ)との関係」なども含めて考える。それが、コンテキスト・コンピューティングです。


【次回の予告】
コンテキスト・コンピューティングを実現する技術要素