ネットワーク的視点から見た学問の分類

Webが発達し、そこでのソーシャルメディアが話題になるにつれて、ネットワークの研究が盛んになってきています。

ネットワークは、「ノード」という点と、点と点を結ぶ「リンク」から成り立ちます。「ノード」を個人、「リンク」を人間関係と考えれば、これは社会のネットワークを表現しているといえるでしょう。つまり、ソーシャルネットワークです。リアルの世界の社会ネットワークは把握するのが難しいですが、Facebookを代表とするWebのソーシャルネットワークでは、より状況が把握しやすく、理解できるようになります。

さて、昨日、公(おおやけ)の情報を個人の情報にするシステムを考えました。そして、「公」と「個人」の間に「コミュニティ」(地域、業界、同業者)が存在することにより、よりサービスが展開しやすくなることを仮定しました。そして、昨日は、気象と医療というように、自然科学(よく、科学と省略されます。)の情報でした。けれども、個人やコミュニティといった問題になると、自然科学よりも、人間の社会としての学問的知識のほうが重要になるのです。

専門外のわたしですが、こんな考え方をしてみました。
「個人の事象」を汎化して一般に共通の概念とする科学を、人文科学。
個人と個人の間の「関係の事象」を汎化して一般に共通の概念とする科学を、社会科学。

ふとそんなことを思いました。
ちょっとインスタンス(具体例)を考えてみると、文学、哲学、芸術などは、きわめて個人的な経験や思索や感情を、高い次元まで汎化して表現しています。これが人文科学でしょう。そして、社会の中の個人の関係性を汎化して出てくる学問が、経済学、社会学政治学などでしょう。

自然科学で、人文科学のように要素分解するのは、ギリシャの原子論(アトム)に象徴される分野。たとえば素粒子物理学。そして、そういう要素がまとまったときの振る舞いを調べるのが、統計や物性です。

おそらく、学問も「要素還元主義」と「関係性統合主義」とに分かれるでしょうね。文系理系にかかわらず。

そのほか、法学、論理学といったルールの学問、言語学や数学といった表現方法の構造の学問、そして、時間の流れで整理する歴史学など、そういう分類の仕方もあるかもしれません。

「要素還元」「関係性統合」そして「法則の体系」「表現方法の構造」「歴史」、こんな5種類に分類できないでしょうか?

いろいろ考えてまいりましょう。