システム学

電子化した情報では、まだ扱えないこと。

昨日は、リアルとバーチャルの話をしました。リアルの価値とバーチャルの価値とのギャップがバブルだと考えられるのではないか?として、リアルな現物と、金融・経済活動特に電子取引のバーチャルなお金との比較をしていみました。リアルというのは、私たち…

情報革命と金融危機

前回は、技術の中でも「てこと滑車」という効用を大きくする仕組みを交通手段に適用した歴史について考えました。交通手段は、人を運ぶ手段ですが、もちろん物流の手段にもなります。そういう意味で、潜水艦のような海中海底の交通や物流が今後面白いのでは…

技術から見るこれからの資本主義

先日の本ダイアリーに書いたように、技術の基本は、「てこと滑車」。少ない力を大きな力に。少ない原資で大きな効用を!です。これは、資本主義と目指すところが同じです。そして、この大きな力は、あくまで手段であり、何か別にある「目的」のために使われ…

「Webという名の宇宙」 の中の生命体

最近、サイバー攻撃がまた新聞を賑やかにしています。サイバー攻撃の手段として多いのがコンピュータウイルスによる攻撃です。コンピュータウイルスは、他のプログラムに寄生して自分自身のコピーをつくり、多くの場合ユーザに不利益をもたらします。もちろ…

まとめて提供するパッケージ化の力と仕事力

昨日は、AITC(先端IT活用推進コンソーシアム)http://aitc.jp/ の1年目の集大成である総会が開かれました。多数の方のご来場をいただき、ありがとうございました。この1年は、AITCの活動をどういう方向に持っていくかという議論から始めなければいけません…

2011年 上期 成果発表について

2011年上期が終了し、下期に突入しました。私は、本務として、下記の研究会で口頭発表を行いました。 第24回セマンティックウェブとオントロジー研究会 http://sigswo.org/A1101_program.html - ■開催日時:2011年6月22日(水)−23日(木) ■会場:浜名…

資本主義と科学技術

資本主義と科学技術の発展は、切っても切れない関係にあります。 産業革命によって、製品の生産効率が非常に上がりました。 工場を設立し、機械を導入しないといけません。この機械は、はじめ熱機関であり、熱力学の応用によって作られました。現在では、熱…

自由とルール

ルール(規則)があると、自由でなくなるのか? 自由のためには、ルールを撤廃した方がいいのか? この難しい問題を、交通ルールを例にとって考えてみましょう。単純に、あなたが車道を横切ろうとしています。自動車の交通量が少なければ、信号機などいりま…

固定財 と 流動財

先日、企業会計を用いて経営分析するお話をちょっとだけ書きました。総資産が大きいという量の尺度によって計る価値と、固定比率(もしくは流動比率)という質的な価値とがあることを考えました。量が大きくても質が悪ければよくありませんし、質が良くても…

ただひとつ。

昨日、経営分析を例にして、エネルギーのエントロピーは「固定比率」のような意味があるのではないか?と述べました。今日はちょっとそれについて「いいわけ」がましいことを書いてしまおうと思います。固定比率の反対の概念として、流動比率と書いてしまい…

帳尻

昨日、アメリカの債務問題をいろいろと勉強しました。短期的には、極めて政治的問題であり、デフォルトになることはないと、私は思っています。今回は、アメリカの国債の上限を引き上げることが重要ですが、その上げ幅を巡っての議論のようです。オバマ大統…

統合や総合

昨日の研究室のパーティーの帰りに、秋山昌範先生のお話を拝聴する機会に恵まれました。先生が、「医療情報は、文系理系両方の知識や研究が必要であり、そこが面白いでしょう。」とおっしゃいました。私も本当に同感です。そもそも情報学というのは、プログ…

「立場」や「役割」といったコンテキストを明らかにするはなし

本日、研究室の茶話会にて、東京大学政策ビジョン研究センターの秋山昌範先生のお話を拝聴しました。先生は、医療の情報化と、電子カルテなどの電子記録から新しい医学的知見をえるためのご研究を熱心になさっています。本日のお話をたいへん興味深く拝聴し…

問題解決先進国の日本は問題解決立国となろう。

近代日本にとって、第3の敗戦といわれる今回の複合災害。被害の甚大さ、そして、その影響範囲の広さを認識するにあたり、どうしても心理的に受け入れがたいものがあります。自分たちは、こんな地獄絵を見るためにがんばってきたわけではないはずなのです。し…

ネットワーク的視点から見た学問の分類

Webが発達し、そこでのソーシャルメディアが話題になるにつれて、ネットワークの研究が盛んになってきています。ネットワークは、「ノード」という点と、点と点を結ぶ「リンク」から成り立ちます。「ノード」を個人、「リンク」を人間関係と考えれば、これは…

気象庁防災情報XMLの実証実験システム勉強会

今日は、先端IT活用推進コンソーシアムの会合で、気象庁防災情報XMLを使った実証実験の勉強会がありました。昨年、2010年3月10日に、これらの実証実験のお披露目会があったのですが、その時は、まさか、その1年後、2011年3月11日に、日…

和と積とのあいだの変換

オイラーの公式をご紹介したついでに、オイラーの公式の「役に立つ?」利用方法を改めて書きたいと思います。 突然ですが、三角関数の和と差の公式を覚えていらっしゃいますか? たとえば、cos(x+y)=? とか、sin(x+y)=? とかです。私は全く覚えていませんの…

オイラーの公式と複素平面での回転

一昨日の議論の中で、自分でのちょっと端折ってしまったなあ、と思うところがあります。> オイラーの公式をみれば、cosとsinが入っているので、何となく回転に関することだと思いますし、そして、実数軸、虚数 > 軸をx軸、y軸とそれぞれ考えれば、それは、2…

幾何学の楽しさと難しさ

数学において、幾何学というのは非常に難しく、また非常に楽しいと思います。幾何学というのは、まさに視覚情報のための数学であり、イメージの数学であり、また、想像や空想や、直観のための数学です。数学をツールとして使っている人、またその数学自体を…

オントロジーとリンクトデータ

今日は、研究室の茶話会でお話をさせていただきました。みなさんに集まっていただき、話をきいていただくことは、とてもありがたいことで、感謝しております。発表の機会というのは非常に得難く、機会があるとうれしいものです。聞きに来てくださる方が、ど…

第24回セマンティックウェブとオントロジー研究会のナイトセッション(ICT革命の本質についての仮説)

こんにちは。湯本です。しばらく、このブログをお休みしてしまいました。間隔があいてしまいましたね。 実は、先週の水曜日、木曜日(6月22日―23日)に「第24回セマンティックウェブとオントロジー研究会」に参加しました。この研究会は、浜名湖の舘山寺温泉…

震災復興の課題とコンテキスト

大地震から、もうすぐ3カ月になろうとしている。復興が進んだ分野、全く進まない分野、様々だと思う。しかし、これによって、日本のどこに構造的な問題があるのか、少しずつ見えてきたと思う。あと1年ほどしたら、こういうことをちゃんと精査して、将来の日…

人間とエネルギーに関する愚考

人間の仕事の出来は、エネルギーをいかに効率よく人間が制御しやすいエネルギーにかえるかの勝負である。 そしてそれは、生物みんなに共通する課題でもある。 今、地球上でこの問題を一番よく解決しているのは植物である。 葉緑体という強力なツールを持って…

第24回セマンティックウェブとオントロジー研究会

下記の研究会で、口頭発表をいたします。よろしくお願い申し上げます。 阪大溝口研究室と東大病院企画情報運営部の先生方の温かく親切なご指導のおかげで、なんとか口頭発表に漕ぎ着けました。御礼申し上げます。第24回セマンティックウェブとオントロジー研…

コンピュータと人間、そして神。

コンピュータができたとき、フォン・ノイマンが、それを指して「世界で2番目に頭がいい」と言ったそうである。その時のコンピュータの能力は、今のスマートフォンより劣る。今では、スマートフォンが世の中に溢れているから、残念なことに、頭がいい人間の価…

コンピュータを観察する人間

コンピュータを開発した人間は、コンピュータという新しい知的存在を観察することによって、より自分のことを深く理解するようになってきていると思います。 たとえば、システムという概念も、コンピュータシステムという、人間がより制御しやすいシステムを…

快適さ便利さの追求の敗北

今回の、大変な悲劇である原子核力発電事故。被災者、関係者のみなさまのお見舞いを、衷心より申し上げます。「原子力」といいますが、もう少し、正確にいいますと、「原子核力」であり、原子核に蓄積されているエネルギーを開放して、発電をしています。 原…

40年周期の近代日本社会システムの盛衰

日本では、60歳が還暦で、人生の節目と考えられています。これは、干支が、60年周期だからです。 私は、今、40歳です。実は40年というのも、重要な節目と思っています。 論語では、40歳は「不惑」といいます。人生の使命に対して、迷いがなくなる…

分析と総合のはざまで。。。

あるシステムを考えたとき、次に考えることは、そのシステムを、自分が既知のシステム要素に分解して理解することです。厳密ではありませんが、分析とはこんな感じです。分解する回数には正解はありませんが、分解する回数が、システムの階層の数と考えても…

しがらみコンピュータ

新年のご挨拶を申し上げます。今年もよろしくお願い申し上げます。今年は、セマンティック技術を用いた、コンテキスト・コンピューティングシステムを、プロトタイプ的に設計して、実装してみたいと思っています。どのような業種や業務をシステム化してみる…