山下達郎さんのお話

昨日の朝、ラジオを聴いていたところ、山下達郎さんが面白い話をしていらっしゃいました。

「100人のライブハウスで成功すれば、1万人のドームコンサートを成功させることができる。でも、ドームコンサートで成功しても、ライブハウスで成功するとは限らない。」

表現が一字一句同じではありませんが、上記のようなことをおっしゃっていました。

「多数の人を納得させるよりも、少数の(特に事情通を)をうならせることのほうが難しい」

ということであると、私は理解しました。

確かにそうで、研究者の世界でも、数十人の専門家の研究会で納得してもらうほうが、百人規模でのコンソーシアムで理解してもらうよりも難しいというのが、私の実感です。
山下さんのような超一流のミュージシャンと違って、私は一凡人ですが、言われてみると同じような感覚があります。山下さんのお話を伺って、はじめてそういうことを意識しました。

そして、山下さんは、おっしゃいました。「ラジオは、少数の人に発信するメディア。テレビは、マスメディア。だから、テレビだと音楽の質も落ちる。」


テレビは視覚と聴覚の情報を伝えますが、ラジオは聴覚の情報しか伝えられません。情報伝達のキャパシティが小さいほど、必然的に伝える情報の質を上げざるを得ません。情報伝達大容量(ブロードバンド)時代になって情報のやり取りが不自由なくできるようになった今日ですが、それにともなって情報の質が落ちるのは、皮肉なことです。