寺田寅彦「電車の混雑について」の考察。。。

今日は、混雑した電車に乗りながら、「電車の混雑について」考えた。そういえば、寺田寅彦の随筆にそんな話があったなあ、と思ってググッたら、ちゃんとありました。

「電車の混雑について」 (寺田寅彦 大正11年9月
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2449_11267.html

かなり物理学的に考察してあり、難解な部分も多いが、重要なところを抜き出すと、要は、

「来かかった最初の電車に乗る人は、すいた車に会う機会よりも込んだのに乗る機会のほうがかなりに多い。」

ということである。つまり、電車に駆け込みすると混んでいるということである。随分前に、私はこの随筆を読んだが、覚えているのはここだけ。でも、それ以来、駆け込み乗車はしないようにしている。

寺田寅彦は、物理学者(東京帝国大学教授)であり、随筆家であり、俳人でもある。俳句は、夏目漱石の弟子である。漱石の「吾輩は猫である」の寒月先生は、寺田がモデルである。そんな寺田寅彦の有名な言葉が「天災は忘れた頃にやってくる」である。電車についての考察は、現在盛んに研究されている「複雑系」の研究に近いものがあり、これを大正時代に考察している、寺田の先見性のすごさを感じる。
「飛び乗ると満員電車にぶちあたる」なんて名言があってもいいかも。