モーツアルトを核にして その1

今日は、趣味の話をしてみたいと思います。私の趣味は音楽です。基本的にクラシックが好きですが、ポップスやロックも好きです。歌うことが好きで、合唱のみならずカラオケも好きです。音楽が音学ではなくてよかったとつくづく思う今日この頃です。


さて、クラシックの中で、音楽の父と言われているのはバッハです。バッハのすごいところは、西洋のあらゆる音楽を調べ、その構造を明らかにし、今のような音階や、楽譜の表現方法を統一化したところだと思います。このとき決めたルールをいまだに西洋音楽は踏襲しています。もちろん、ポップスやロックもこの範疇を越えてはいません。このような表現方法が決まったうえで、その表現方法を駆使して人間の性格を自由自在に表現したのがモーツアルトです。モーツアルトは、西洋のありとあらゆる音楽の表現方法を駆使できるまでに修得し、それを使って自由自在に人間の性格を表現して、キャラクターミュージックを創作しました。「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」といった”キャラのたった”オペラが彼の最大の成果です。そして、彼の交響曲やピアノ協奏曲そして、宗教音楽の中にさえ、彼の作ったキャラクターを垣間見ることができます。


ところで、モーツアルトの父親は、モーツアルトに音楽のスパルタ教育、つめこみ教育、エリート教育をしました。それによって、モーツアルトはあらゆる音楽の表現方法を習得し、それを駆使することによって、自分の個性を表現することに成功しました。父親によるこの厳しい教育がなければ、彼の独自の個性を表現することは不可能でしょう。昨今個性を重視する教育が熱心に説かれていますが、表現方法の基になる知識(単語、文法、表記ルール、表現スキルなどなど)をつめこみ、習得し、実践できるようにならないと、個性を表現することができず、フラストレーションが溜まるだけです。



モーツアルトが、このように個性の表現にこだわったのは、彼の前任者である、グルックの影響が大きかったと思います。グルックは、当時のオペラに人間性がないことを批判し、オペラにキャラクターを取り入れるように説き、「オルフェオとエウリディーチェ」を作曲したオペラ改革者として有名です。オペラのニュールネサンス時代の幕開けです。オーストリア・ウィーンのハプスブルク家には、複数の宮廷音楽家がいたようですが、グルックの退職に伴い雇われたのがモーツアルトのようです。おそらく、モーツアルトはこの先輩をかなり意識していたと思います。



つづく

モーツアルトを核にして その2
http://d.hatena.ne.jp/masanori-yumoto/20110728/1311797863