帳尻

昨日、アメリカの債務問題をいろいろと勉強しました。短期的には、極めて政治的問題であり、デフォルトになることはないと、私は思っています。今回は、アメリカの国債の上限を引き上げることが重要ですが、その上げ幅を巡っての議論のようです。オバマ大統領は、自分の任期の間には、再び上限に届くことがないように大幅な引き上げを提案しているのに対し、共和党は、小幅な引き上げにて対応し、赤字削減を優先させよと要求しているようです。短期的には、このような政治問題ですが、長期的にはやはり財政の健全化が必要なのでしょうね。



日本も財政の健全化が必要なうえに、このような惨事になっています。また、ヨーロッパでは、ギリシャ問題があります。一昔前の世界の経済の三極が病んでいる状態なのでしょう。これだけ、経済先進国が巨大な赤字を抱えていると、世界全体の「バランスシート」はどうなっているのだろう?と不思議な気分になります。お金の帳尻はあっているのでしょうか?日本の場合だと、国債発行額と同等の個人の預貯金があるようなので、バランスしていると考えてよいのでしょうか?



さて、私は科学の分野の人間ですが、科学においても「バランスシート」の考え方は重要です。科学の世界でバランスしているのは「エネルギー」です。エネルギーの総和は一定であるというのが、科学の世界のバランスシートの基本です。さらにもう少し無理やりアナロジーを考えてみると、「エントロピー」という量は、効力を考えると、固定比率のようなものではないかと考えます。固定比率が高くなると、財の流動性が低くなり、他のものと交換することが難しくなります。一方、固定比率が低くなると、流動比率が上がり、財の交換が容易になります。「低い方が有益」という変な指標になってしまいますが、総量が同じでも、使える(つまり他のものと交換できる)割合が高い方が、有益であることには変わりありません。その点は、エネルギーも財も同じなのです。財では、固定比率が低い方が便利なように、エネルギーもエントロピーが低い方が便利なのです。エントロピーの低いエネルギーの代表が「電気エネルギー」であり、エントロピーの高いエネルギーの代表が「熱エネルギー」です。


効用から見るとこのような対応が可能かと思いますが、エネルギーシステムと会計システムとで、このようなアナロジーが根本的に成り立つか?は、まだ私も未確認です。