ただひとつ。

昨日、経営分析を例にして、エネルギーのエントロピーは「固定比率」のような意味があるのではないか?と述べました。今日はちょっとそれについて「いいわけ」がましいことを書いてしまおうと思います。固定比率の反対の概念として、流動比率と書いてしまいました。ちょっと説明がいるかと思います。固定比率の定義は、

固定比率 = 固定資産 ÷ 自己資本 × 100

です。一方、流動比率は、

流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

です。これは、経営分析としては、とても妥当な量の定義です。その一方で、物理のような非常に単純な人間からすると、分母が統一していないと比較できないよねえ、という話になってしまいます。この経営分析と物理的視点からの妥協点を見出さないと意思疎通ができなくなります。それぞれの分野のコンテキストに基づく基礎的な知識や、考え方の相違は、少しずつ埋めていかないといけません。

今の場合は、固定負債+流動負債+自己資本=総資本ですから、総資本が一定だとすると、自己資本増えれば、流動負債が減ります。物理学的な考え方の表現だと、このような拘束条件を考えなければなりませんが、拘束条件を考えても、固定比率が増えれば、流動比率が減るという傾向自体は、だいたい成り立っていることになります。

これが、今日の「いいわけ」です。また、コンテキストを考慮して、両者の妥協点を見出す、一例(あまりよい例ではないかもしれませんが。)かと思います。


ところで、アメリカの債務問題ですが、なかなか解決しませんね。もう少し早く収拾をつければいいのになあと思います。結局、アメリカの国債のデフォルトは起こらないとは思いますが、アメリカが非常に短い期間、あえて、デフォルトにすることにより、得する可能性が、一部のブログで指摘されています。また、ロイターの記事などにも、示唆があります。その理由は、ほぼただひとつです。アメリカ国債のデフォルトにより、一番損をする国は、東アジアで大量のアメリカ国債をもっている2カ国だというのです。デフォルトにより、世界恐慌が起こっても、最終的には、「恐慌に強いドル、アメリカ」というセオリーになり、アメリカの被害は長期的には、ほとんどないというのです。なんだか、風が吹けば桶屋が儲かるような話ですが、よくこのようなシナリオをひねり出すものですね。